コンサルタント解説

2020.11.15

「育成責任」はすべての社員に~「共育義務」

以前、本コラムで「個人の成長責任」と「会社の育成責任」について触れました。今回は上司と部下という関係性含め「社員同士」がお互いにどのような責任を持つべきか考えてみましょう。

一般的には、会社=上司=育成責任、個人=部下=成長責任をそれぞれ持っていると考えられます。中長期的視点とノウハウを持った上司が部下を指導・伴走・支援(=育成)し、部下がそれに応えて成長していくというのは自然な姿です。育成責任を感じられない上司に「人事評価」をされた場合、部下としては不満を感じてしまうこともあるでしょう。

しかし、本来「組織」全体が成長するためには、上司も部下も「共に育つ」環境づくりが必要です。そのためには、部下の側もまた上司を育てる責任を持って行動すること。同じ目標に向かう組織の構成メンバー同士、お互いに「共育義務」があるはずです。

実際、私自身の経験からも、ほかのメンバーからの「本音」「問」「提案」に多くの気づきをもらっています。その価値を提供してもらうためには何でも話せる「心理的安全性」をつくることが重要であり、結果として、自分も相手も共に育つというwin-win、組織においての全体最適に結びつきます。

育成責任をもつことは、イコール、組織において主体性をもつこと。自分がインプットしてきたことを、相手の人生がベターになるようにアウトプットし続ける。そんな「共育義務」をもった関係性を継続していくことによって、組織は常に強くなり続けるでしょう。